でっちあげ創世記?

以下は二次創作のために作った私的設定です。


◆ 創造神様たち、突如発生する。
 そこは何にも無い空間……だったのですが、どういう訳か上と下ができ、前後左右には無限の広がりができました。 次いでそこに表れたのは無数の存在でした。そしてそれは我々とそう大差の無い人型をしていました。 彼らが我々と違う点があるとすれば、それはただ一つ。とんでもない力を持っていた、ということでしょう。
 そこには彼らがいるだけで他に何も無い場所でした。
 彼らの一部はこの空間の探索に出ました。
 一方、残った者たちは内なる力のざわめきを感じました。彼らはその声に耳を傾け、言われるままに力を何かを作ること注ぎました。 これが彼らを「創造神」と呼ぶ所以ゆえんです。
 創造神様たちは自分自身の気の向くままに、思い思いの世界を作っていきました。 世界創造バカ一代、そう言いたくなるくらいに頑張りました。 ――もっとも、すごい力を持っているのですから、全力で頑張ったのかどうかは判りません。
 兎にも角にも、その空間には創造神様の数だけ世界ができていったのです。

◆ トライア様、エターナルスフィアを創る。
 創造神様の1人にトライアと呼ばれる人がいました。 ――創造神様たちは不便だということで、互いに呼び名を付け合っていたのです。 ここでは敬意を込めてトライア様とお呼びしましょう。
 そのトライア様は、無限とも思える空間にいくつもの星々を配置した世界を創りました。 これを仮にエターナルスフィアとしましょう。 星という大地に水や草木を並べ、多様な種族を生み出し、あちこちに配置していきます。

 さて、ここで少し問題が。トライア様は困ったことに、非常にきまぐれで退屈が嫌いな方でした。 自分の創った世界が何もかも予定通りに進むのは面白くない、そう考えてしまったのです。 そこで「マナ」と呼ばれる魔力でエターナルスフィアを満たしていきました。 「マナ」は生き物の意志を反映し、世界の在り様に変化を起こすことができる物質です。 時にはそれが生き物を含めた自然環境を変化させることもありました。 己の予想外の結果を引き出してくれた「マナ」に、トライア様は大満足でした。 おそらく1人でニヤリとしたことでしょう。 これによって多少の濃度の差はあれど、エターナルスフィアの全域が魔力に包まれたのです。

 また、ここまでくると世界の創生・維持には煩雑な作業も必要になってきました。 自分で全てを作っていても面白くはありません。 そこでトライア様は積み木遊びのメンバー集めの如く、スタッフを生み出していったのです。 彼らの励みになるよう、手がけた星には自分の好みを反映させていいよーん、と仰いました。 これが後の星々に伝わる信仰や神々の始まりです。

◆ トライア様、突然の思いつきをする。
 エターナルスフィアの世界はトライア様を始めとする神々の皆さんのおかげで安定してきました。 ではここでもう一度世界の外側に目を向けてみましょう。外というのは創造神様たちが誕生した空間です。 何故かというと、トライア様も他の創造神様たちが創った世界を覗いてみたくなったからです。
 他の創造神様たちが創った世界は実に多様でしたが、どの世界にも創造神さまたちの姿に似た人型の生き物がいました。 覚えていますか? 創造神様たちは私たちと大差の無い人型をしているのですよ。 だから自分たちと似た姿の生き物を作ったのでしょう。 肌の色艶だとか、細部の微妙な形の違い。そんな差異はありましたが、ほぼ似通っていると言っても問題のない範囲です。 創造神さまたちといえど、皆同じようなことを考えるものなのですね。

 そこでトライア様の突然の思いつきがやってきます。
 1つは似通った姿形なのだから、そいつらが自分の世界にやってきてもいいよな、というもの。
 2つ目はエターナルスフィア自体を内側から変革する存在を誕生させることです。

 まずは1つ目についてお話しましょう。世界運営に携わる神々といえど、所詮は自分の生み出したものです。 だからそれだけではつまらないし、閉じられた世界はいずれ淀んでしまうかもしれません。 もし外から他の創造神たちが創ったモノが流れ込んできたら……? という発想です。
 トライア様は自分の考えを他の創造神さまたちに話しました。 すると何柱かの創造神様たちから賛同の声があがりました。 とはいえ、あまりに多くの者たちが行き来をすると何かと都合が悪いので、ごく僅かな交流にすることとなりました。
 かくして、極めて稀なケースで別の世界を行き来してしまう生き物が発生したのです。

 2つ目は外側から世界に干渉する存在がいるのなら、内側から世界という枠組みに干渉する存在がいてもいいよな、という発想です。
 トライア様は、自分――そしてエターナルスフィアの大半の生き物――とは反対になるような存在がいい、そう考えたようです。 きまぐれなトライア様らしいというか、何というか。アンチ正統派のようなモノを欲したのですね。
 その存在に与えた役目は「破壊と再生」です。 基本的に世界は在り続けることで保っています。 それとは逆に、死と誕生を繰り返すことで永遠ならしめるように、という意図なのでしょう。 「破壊と再生」に携わったモノには特典として、再誕した世界での命を約束してみました。
 二つの想いは互いにぶつかり合い、不安定な天秤のようにバランスを取り続けるように仕向けました。 それがどちらかに傾き、天秤がひっくり返るのがいつ訪れるのか、その時に何が起こるのか。 トライア様はそれが楽しみでなりません。 仮にも自分で創造した世界を懸け物にするのだからすごい話です。

◆ 〈外よりの人〉、やってくる。
 ある日、ひょっこりとエターナルスフィアの外から五人の人々がやってきました。 その人たちは新たな世界の探索、そしてその世界の利用法について調査するという目的を持っていました。 当人たちが何を思っていたのかは判りませんが、出立時にはそういう使命を申し付かっていたのです。
 当然、彼らはここが自分たちがいた世界とは異なる場所だと理解していました。 また、自分たちが精神だけをこちらに送り込んできていることも。彼らは肉体を元の世界に置いてきていたのです。 いえ……正確に言うのであれば、身体ごとの移動はできなかったというのにすぎません。 何はともあれ、彼らはこの世界の探索を始めました。

 さて、この頃のエターナルスフィアがどういう状況だったのか説明しましょう。
 えーっと、率直に申しますと、状況はかなり悪かったです。 というのも、先に説明した想いの天秤が「破壊と再生」の方に傾いていたからです。 世界には破壊や争いを好む人々が増えていき、多くの憎しみと悲しみを生み出していました。 再生の前にはまず破壊が必要だったので、物理的な破壊だけでなく、精神的な破壊もなされていったのでしょう。
 祝福を受け、〈混沌〉のドゥレットルと呼ばれる者が彼らを束ねていきました。 また、〈堕ちた翼〉イデア・エス、〈血で贖う者〉ザラクザリフ、〈夜の道化師〉パル・ロメロ・ファズ、 〈折れた穂先〉デュリーニー……など、その名をとどろかす悪人たちも数多く生まれました。
 それに抗い、平和を望む人々もいたのですが、その光は大いなる闇の前ではあまりにも無力だったのです……。

◆ 〈外よりの人〉、戦う。
 〈外よりの人〉たちはエターナルスフィアの探索を進めているうちに、おのずと彼らにぶつかりました。 ――「彼ら」とありますね? そう、「破壊と再生」の役割を帯びたモノは人身をしていたのです。 言わずと知れたイセリア・テレストとガブリエ・セレスタです。 イセリアの方は〈破壊の女王〉とでもいうべき雰囲気で、気迫と力に満ちた美女。 ゆえにイセリア・クィーンとも称されることもありました。
 雄大な翼をひらめかせ、天空を舞う姿から、彼らのことを〈天使〉と呼ぶ者たちもありました。 彼らは神出鬼没で各地に現れ、自らの存在理由を実感するかの如くに力を振るいました。
 〈外よりの人〉たちはこの世界を活用するつもりでしたし、やむにやまれぬ事情が発生したため、彼らと世界の存続を巡って争うこととなりました。 時には彼ら同士が直接あいまみえ、時には彼らに共感する勢力同士のぶつかりあいになりました。
 ちょっとここで、〈外よりの人〉たちの「やむにやまれぬ事情」について説明しましょう。 なぜ帰還をせずに戦うことをしたのかというと、彼らは元の世界に戻れなくなってしまったからです。 肉体が失われてしまったとも、元いた世界が崩壊したとも言われていますが、真相は定かではありません。 少なくとも彼ら自身が望んでいたことではなかったようです。 ここで生きると腹をくくった彼らは、持てる力を駆使して戦いました。

 一人は力強く輝かしいオーラを放つ金髪の男性。彼は〈喜びの剣〉と称される剣を振るいました。
 一人は理知的な風貌の赤紫色の髪の男性。彼は〈智の書〉を用いてマナを巧みに変容させました。
 一人はにこやかな笑顔の藍色の髪の少女。彼女は〈焔の輪〉からきらめきを放ちました。
 一人は穏やかな雰囲気の茶髪の男性。旅慣れた彼は移動と情報収集を司りました。
 一人は慈愛に満ちた表情の藍色の髪の女性。彼女は不思議な力を秘めた道具作りを得意としていました。

 そんな彼らの姿に触発されたのか、自由と平和を望む声が強まり、想いの天秤が揺らぎました。

◆ 大いなる騒乱、終結する。
 その戦いはとても激しいもので、多くの犠牲――生命体だけでなく惑星そのものも――が出たといわれています。 戦いが終結した最大の要因は二人の天使が突如として姿を消したからでしょう。 今までは不意に現れることがあった彼らが、全く姿を見せなくなったのです。 〈外よりの人〉に倒されたのだとも、自ら再臨する時を待つ眠りについたのだとも言われています。
 〈破壊の女王〉の祝福を受けたとされ、その意志に従う者たちを統括していた〈混沌〉のドゥレットルは、 〈天使〉たちが消えた後も勢力を率いて戦い続けました。 しかし、星海での決戦で〈喜びの剣〉をその身に受けて倒されました。 そして彼の死と共に、各地の勢力も徐々に駆逐されていったのです。
 この戦いは〈外よりの人〉たち側にも多大な被害を与えました。 生き残れた――存在を保てた――のは五人の内の二人だけ。藍色の髪の少女と茶髪の青年です。 その後、青年は各地を転々としエターナルスフィアを見守ることを選び、 少女は傷ついた世界と人々の救済のために国を作ったと、それぞれ伝えられています。

 トライア様はこの一連の出来事を見てどう思ったのでしょうか? それは神ならぬ身には知り得ません。
 かくして時は流れ……。



 私的設定では、エターナルスフィアの住人はこれらの歴史を詳しく知りません。 特にトライア様がらみの話は、〈外よりの人〉を含めほぼ全員が知らないでしょう。 「外よりの人、やってくる」以降が古い文献などで一部に伝わっている程度です。 それぞれの星にはそれぞれの歴史や神話がある、ということですね。^^;
 ネーデ関係のいきさつは別の機会で♪



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